内臓からのシグナル ~その静かなるメッセージ~
・「朝だけ腰が痛い」
・「仰向けに寝ていると背中が痛い」
・「じっとしていても股関節が痛む」
この様な症状がある場合、背骨や筋肉などの
整形外科的な問題だけとは限らない事がある為、
まず、病院で診てもらう事が大切です。
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医学的な検査でも異常が無いのに、上記のような
症状がある場合、
“オステオパシーの診かたを使い、
視点を変えて身体をチェックしてみる”と、
症状の改善や、原因を発見するのに役立つ場合が
あります。
「朝だけ腰が痛い」
「じっとしていても股関節が痛む」
このような症状がある場合、
オステオパシーの検査で見つかる事が多いのは、
①内臓の「位置の異常」
②内臓の「うっ血」
の2つです。
厳密には、この2つは密接に関連しており、
「内臓の位置の異常」から「内臓のうっ血」が
起きているケースはよく見られます。
実際の臨床でよく見られるのは、
・肝臓
・小腸
・腎臓
が、うっ血していたり、下垂している
(正常な位置より下がっている)状態です。
女性の場合、
・子宮
・卵巣
といった臓器は、骨盤や下肢の歪みの影響を受けやすく、
「位置の異常」や「うっ血」が頻繁に見られます。
私が指導を受けている解剖の先生が、
「私が解剖で経験した範囲では、
女性で、子宮の位置が真ん中にあるのは、
3割くらいしかいない」
と言っているのを聞いて、納得した事がありました。
他に、うっ血している事がある内臓としては、
・胃
・膵臓(すいぞう)
・盲腸~回盲部(小腸と大腸のつなぎ目)
・S状結腸(便秘の時に便が溜まる所)
・直腸
・前立腺
などがあげられます。
特に膵臓(すいぞう)のうっ血は、
“背中の痛み”として感じる場合があります。
以上の様な、
・内臓の「位置の異常」
・内臓の「うっ血」

は、画像上では正常の位置に見えたり、
血液検査で何の異常も出ない場合がほとんどです。
しかし、オステオパシーの触診検査で診ると
“内臓が特定の方向に引っ張られ、
静脈の排液が制限されて
うっ血している状態”
が、見つかる事があります。
内臓は、ある一定の状態になるように、
いつも調節されています。
ですから、逆に言うと、
血液検査の数値に出たり、画像検査で見た目にも
はっきりと異常が出るという事は、
内臓の細胞が壊れて血液中に出てしまったり、
形が変わってしまうほど肥大や下垂してしまっている
という事ですから、
相当な負担が内臓にかかっているという事です。
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我々、オステオパス(オステオパシーの施術者)
の役割は、
患者さんの内臓に、数値や画像で出る程の負担が
かかる前に、
“内臓からのシグナル、その静かなるメッセージ”を、
きちんと読み取り、
内臓にかかっている負担を取り除く事にあり、
その時点で、患者さんは自覚していなくても、
からだからのメッセージを
患者さんに、きちんと伝える必要があるのです。
参考: