背骨の中の“うっ血”~産後の腰痛 (その3)~
世田谷区 30代 女性 【頭蓋仙骨治療】
「出産前から、時々、腰痛があった。
2人のお子さんを、無痛分娩にて出産。
第2子出産後、数年して腰痛が悪化。
長時間座ったり、仰向けに寝ていると、
右腰から脚にかけて痛みが出る」
《 整形外科の検査の結果 》
レントゲンの画像では、腰の骨や、
椎間板には、特に異常なし。
*
《 オステオパシーの診断で見つかった機能障害 》
・背骨の中、脊髄(せきずい)静脈の“うっ血”
*
背骨の中には、神経の束である脊髄が入って
おり、その周りには、血液が流れています。
この方は、からだのねじれから、
“背骨の中の血液の流れ”が悪くなって
いました。
その結果、
腰部の背骨の中や、骨盤のおしりの真ん中
(仙骨の中)に“静脈血のうっ血”が診られ、
脊髄を包んで保護している、脊髄硬膜が
引っ張られていました。
*
“本来、背骨の中の血液は、座っていても、
寝ていても、自然に心臓に流れていく”
のですが、
この方は、からだのねじれによる膜の緊張により、
背骨の中の血液が流れにくくなっていました。
そのため、
“背骨の中が、うっ血しやすくなっている為、
腰や脚に痛みが出ている可能性”
がありました。
《 オステオパシー治療の内容 》
まず、背骨や仙骨、下肢や脊髄のねじれを取り、
その後、脊髄(せきずい)静脈の排出路を開放。
背骨の中で“うっ血”した静脈血が、自然に流れて
いけるように、通り道を開ける。
*
最後に【頭蓋仙骨治療】で、脳脊髄液の流れを
良くし、脊髄のクリーニング機能を促して、
初回の治療を終了。
*
2週間後に再診。痛みは前回の3割ほどに
なったとの事。
まだ少し、背骨の中の“うっ血”が残っているので、
ひき続き、排出路を開けて血液の排出を促す。
この後、3週間置きに2回の治療で、
痛みは消失。
背骨の中の血液がきちんと排液されている事を
確認し、治療終了。
*
この背骨の中の“脊髄(せきずい)静脈のうっ血”は、
●「無痛分娩」で出産された方で腰痛がある方、
●「慢性の腰痛」、
●「あお向けに寝ていると腰が張る」
●「長時間立ったり、座っていると腰が痛くなる」
といった方に良く見られます。
いずれも、レントゲンなどの検査では、
特別な異常が見られない事が多く、
“背骨の中のうっ血”が、きちんと排液できる
ように、手助けをしてあげる必要があります。
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