通常、骨折した場合は、整形外科で整復・固定し、
骨が再び付くのを待ちます。
その固定した部位を『オステオパシーの診かた』
で診ると、そこには、3つの現象が同時に起きている
事が分かります。
①骨折した“骨の中の血液の流れ”が滞っている
②骨折部位の周辺が腫れて、パンパンに“むくんでいる”
③骨折の衝撃で“別の部位の関節にも、歪みが生じている”
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“骨折後”のオステオパシー的ケア では、
骨折後のからだに起きている、この3つの現象を
改善する事で、
骨折部位の修復を助け、リハビリのしやすさを高めて、
骨が付いた後の可動域の回復、を助けます。
骨折後の早期回復にとっては、
特に②の、パンパンに腫れている“むくみ”
を、出来るだけ早く取ってあげる事が大切
です。
それには、2つの理由があり、
・1つは、
むくみがあって、古い血液がいつまでも残っていると、
骨折部位に新鮮な動脈血が流れ込むのを邪魔して、
折れた骨の修復を遅らせる事、
・もう1つは、
骨がくっ付いた後に、パンパンにむくんだ状態のまま
可動域回復の為のリハビリをしても、
むくみが邪魔をして思うように動かず、
思ったような成果が上がらない為です。
*
骨折部位周辺の、心臓へ戻る血液の通り道である、
静脈(じょうみゃく)血の排出路を開けて、
むくみが早く取れるように、手助けしてあげます。
*
また、骨折後のからだに起きている3つの現象の
他の2つ、
①骨折した“骨の中の血液の流れ”が滞っている
③骨折の衝撃で“別の部位の関節にも、歪みが生じている”
のを、同時に良くする事も、
骨折部位の“早期修復と、良好な可動域の回復”
の為には、非常に重要となります。
+1【もう1つのチェックポイント:骨の“たわみ”】 |
骨が完全にくっ付いた後は、
“骨折後”のオステオパシー的ケア の最終段階、
『骨の力線(りきせん)』をチェックします。
骨の力線とは、骨にかかる力の線の事です。
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生きている骨は、ある程度の弾力性があり、
力がかかると、“たわむ”ようになっていま
す。
骨は、この“たわみ”で、衝撃をうまく逃がし
ているのです。
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骨折してくっ付いた部分は、他の部位に比べて
固くなり、
たわみが少なくなってしまっている場合があります。
その場合、骨に力がかかった衝撃を逃がしきれず、
骨がくっ付いた後も痛みが残ったり、
からだの他の部位が衝撃を引き受けるので、
骨折した所と違う部位に、様々な負担がかかって
しまう事があります。
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“骨折後”のオステオパシー的ケア では、
骨のたわみをチェックし、
固い場合は、骨内の治療をして、骨のたわみや
弾力性を出来るだけ回復させ、
骨にかかる衝撃を、再び逃がせるように手当てを
します。
骨折部位の“早期修復と、良好な可動域の回復”を目指して |
以上のように、オステオパシーでは、
●骨折直後~固定が取れるまで
●固定が取れてから~リハビリ期間中