【骨盤:5つの重要なチェックポイント:】
~ オステオパスの見ている世界(その2) ~
オステオパシー医は『骨盤を矯正する』時に、
見た目の形だけではなく、
いくつかの重要なポイントをチェックして
います。
*
まず、1つ目のポイント、それは、
①骨盤の連結部分が“動くかどうか”
です。
骨盤にはいくつかの連結部分があり、
そこが動く事で、
腰椎や骨盤、股関節にかかる負担を、
うまく逃がしています。
骨盤のこの連結部分が、何らかの理由で
動かなくなると、
腰痛、股関節の痛み、膝の痛みなど、
様々な症状を起こす事があります。
そこで、まずは、骨盤の連結部分が、
きちんと動いているかどうかを、
チェックします。
骨盤の骨を「入れ物」とすると、
次に診るのは 骨盤の「中身」、
②骨盤の中の“内臓の位置”
です。
骨盤の中には、腸の一部や、膀胱、
女性では、子宮、卵巣、が収まって
います。
“内臓の位置の異常は、病気の始まり”
という言葉もあるように、
骨盤の中の“内臓の位置”は、
必ずチェックする必要があります。
特に女性の場合、骨盤の仙骨や腸骨の歪み
によって、
子宮や卵巣の位置が変わってしまっている
ケースが多く、
この場合は、必ず位置を矯正する必要が
あります。
次にチェックしなければならないのは、
③骨盤の中の“神経の状態”
です。
例えば、骨盤の仙骨の歪みにより、
骨盤の中の神経が刺激されている場合、
おしりから腿の裏にかけて伸びている、
坐骨神経に沿った痛みを出す事があります。
この場合は、坐骨神経を刺激している、
仙骨の歪みを、矯正する必要があります。
“最も重要なチェック・ポイント”~ 骨盤の中の“血液・リンパ液の循環”~ |
最後に、まだチェックしていない、
2つの重要なチェック・ポイントがあります。
それは、
④骨盤の中の“血液の循環”
⑤骨盤の中の“リンパ液の循環”
です。
ここでは、骨盤の中の動脈血、静脈血、
リンパ液が、スムーズに流れているか
どうか、をチェックします。
例えば、骨盤の仙骨の歪みにより、骨盤の中の
内臓に繋がる血管が、引っ張られているケース
があります。
そうすると、いったい、何が問題になるのでしょうか?
*
例えば、、、
右の卵巣に繋がる“動脈”が引っ張られている場合は、
右の卵巣には、十分に栄養が送られません。
右の卵巣から出ている“静脈”が引っ張られている場合は、
右の卵巣からは、老廃物がうまく排出されません。
*
そういった状態が、長い間、続いた場合、
右の卵巣の状態に、何らかの変化が起きてくる
可能性があります。
また、ホルモンの働きにも、影響を及ぼす
可能性があります。
実際の臨床の現場では、骨盤の仙骨や、
その他のからだの歪みによって、
“左右どちらかの子宮や卵巣の動脈が
引っ張られているケース”
が多く、
自覚症状や、婦人科の病気の有無に
かかわらず、頻繁に見られます。
また、骨盤の中のリンパ管が引っ張られている
場合は、骨盤内にリンパ液がうっ帯しています。
その場合は、
下肢がむくみやすい、などの症状が出たり、
卵巣周囲のリンパ液のうっ帯により、卵巣の位置が
変わってしまっているケースもあります。
以上のように、『骨盤を矯正する』時に
大切な事は、
見た目の形だけではなく、
①骨盤の連結部分が“動くかどうか”
②骨盤の中の“内臓の位置”
③骨盤の中の“神経の状態”
④骨盤の中の“血液の循環”
⑤骨盤の中の“リンパ液の循環”
を慎重にチェックする必要があります。
オステオパシー医が『骨盤を矯正する』
と言う時、それは、
以上のような、
骨盤の“5つの重要なチェック・ポイント”を、
すべて正常にする事、